AEDは誰でも躊躇なく扱えます | 北海道の田舎発大都会向けニュース

世の中広いのに なぜ見も知らない老人を私が・

思い出すのは昔のこと
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サービス業で思いだした事件 Part5です。

 

なぜ私が・と思ってしまうほど、悲惨で悲しい事件がありました。

夜勤に入って館内も寝静まった頃にかかって1本の電話・

道東・釧路 の警察からの電話でした。

 

高齢の男性が一人でいなくなったということでしたが、

実際は行方不明ではなく、家出らしいのです。

 

名前と年齢を聞いて、ピーンときました。

当日遅くに一人で予約なしでチェックインした客がいたのです。

 

名前も少しだけ変化させた偽名で、

ほぼ本人に間違いない・と警察には報告したのですが、

そのまま様子をみていてほしい・と言われ、

本人の動きもまったくなく、

こちらも何かするわけでもなく

そのまま朝を迎えた時に起こった悲劇です。

 

さわやかな朝を満喫していた台湾人ツアーの男性が

私の前に来て、ワーワーとわめいています。

うるさいやつだなぁ・と面倒くさい気持ちで

彼が指さす方向を見てみると、

先ほどまで朝陽が当たっていた芝生の上に

一人の老人が仰向けに倒れているではありませんか・

 

えっ? 飛び降り?

 

出血などはありませんでしたが、

咄嗟に思ったのがあの家出人捜索されていた老人に違いない・ということ。

老人の部屋は6階、ちょうど倒れている位置の真上です。

 

早朝のため、ワンオペの時間帯でしたが、

やりかけの仕事を一切を放り投げて救命処置に・

すでに意識はなく、AED (自動体外式除細動器)を装着、診断すると、

 

「電気ショックが必要です。体から離れてください」

 

初めてのAEDでした。

手順はWebで見ていましたが、実際に使用するのは初めてでした。

 

「心肺蘇生が必要です」

 

胸骨圧迫 ですが、これもAEDからリズム音が発せられるので

その通りに両手で胸を押し続けます。

しばらくすると今度は 人工呼吸 をするように指示がありました。

 

救急の講習会を受講したこともないのに、

いきなりの人工呼吸ですが、

AEDの指示に躊躇することなく行うことができました。

それもたくさんの人が見守る中で実行できた自分はすごいかも・

 

救急隊が到着するまでこれを繰り返していたのですが、

残念なことに蘇生することはなかったようです。

 

AED

 

前夜の警察の電話から一転して、

6階から身を投げた老人になにがあったのでしょう・

老人に新しい朝は眩し過ぎたのでしょうか・

 

私がそんな老人はいない・と警察にウソの報告をしていたら、

もしかしたら何ごとも起こらなかったのかもしれない。

 

なぜ、釧路から家出した見も知らない老人が投げ出した命を

私がなんとか蘇生させようと

人工呼吸まですることになったのか・

 

それから毎晩、その老人の落ちた場所を見ることになるのですが、

不思議と怖い感情は一切ありません。

助けられなかったけど最期を看取った私だからこそ、

天国で安らかに眠る老人に祈りささげることができると思っています。

 

 




 




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