皆さんは大病を患った経験はありますか・
私はガンほど深刻な病気ではないのですが「肺結核」に罹ったことがあります。
時代劇なら完全に不治の病で「労咳」(ろうがい)と呼ばれていました。
幕末期 に長州の 高杉晋作 や新選組の 沖田総司 の命を奪ったことでも有名で、明治以降、国民死因の首位を占め続けた国民病で 亡国病 とも呼ばれたそうです。
現代でもたくさんの人が罹患し、中には命を落とす人もいる怖い病気です。
夏目漱石 や 石川啄木、高村光太郎、中原中也、滝廉太郎 など・
知的で文学的な人がかかる病気なのかもしれません。
・ということは私も知的?
特効薬ともいうべき ストレプトマイシン が発見されたのは1944年だそうです。
私が生まれる10年ちょっと前のこと。
生まれる時代を間違えていたら私はとっくに死んでいたかもしれません。
それまでは サナトリウム という長期療養施設で療養するしか道はなく、空気が澄んでいることが大事で冬でも窓を開けていた・と小説で読んだ記憶があります。
私が入院療養したのは結核専門と言ってもよかった当時の 国立療養所・
その療養所は解体され、跡地に建った老人介護施設に今お義母さんが入所して、私の病室があった場所とほぼ同じところにお義母さんの部屋があります。
神の御業としかいいようがありません。
この療養所では8カ月の入院生活でした。
人生終わったような喪失感・失望感しかなかったのですが、その入院生活も徐々に慣れてきて、安静時間以外は自分のベッドにいないほどに、あちこちの病室で雑談したり、近所を散歩したりととても入院患者と思えない日々を過ごしていました。
それもストレプトマイシンのおかげです。
当時勤めていた会社で同じように感染したと思われる、私より少しだけ若かった男性社員は別の病院でたった3カ月の入院でした。
しばらくして新聞に おくやみ広告 がでていた時には驚きました。
私の場合、結核菌は入院して一カ月もしないうちに死滅したようなことを医師から聞いた記憶があります。
それでも8カ月の入院だったのですから、彼の場合は結核に不慣れな医師で彼自身ももう大丈夫と過信していたのでしょう。
私とおなじ病院だったら死なずに済んだかもしれないのに・
風の噂では感染させたのは他の男性社員で、さらにその父親が 感染源 のようでした。
今回の新型コロナウイルスでは某IT企業の寵児と呼ばれた人が インフルエンサー になったつもりで愚かなことを発信しています。
聖火ランナーを強行しても死んだら意味はないのに・
罹患してもたいしたことはないと思うのは間違いで、一人でも死者がでているのだったら今度は自分かもしれない・と警戒しなくてはいけないのです。
自分だけは大丈夫・は通用しません。
そんな人に限って なんで自分が・と嘆く羽目になります。
・ということで結核に罹ったことがある私の肺にはいつも 陰影 があります。
健康診断では毎回要検査と指摘されます。
昔の日本映画みたいに「影のある男」・・なんてね。
そんな私が新型コロナウイルスに罹ったら 重篤 な状態になるのは確実です。
だから十分に警戒します。
お義母さんにもしばらく会っていません。
外で働いている私がコロナウィルスを身につけている可能性は高いわけですから、直接お義母さんに会うのは避けようと思っています。
ストレプトマイシンのように早く ワクチン ができてたくさんの人の命が救われることを願うばかりです。
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